中に入らないと魅力がわからない奇妙な家

結衣 田中
1 2月, 2021

近所を震撼させた73歳のおばあちゃんが作った超小型ハウスとは!?73歳のおばあちゃん、ベティ・スミスさんが自宅の裏庭に小さな家を建てると近所の人に宣言したとき、誰もが冗談だと思い笑ったという。73歳の女性にそんなことができるわけがない、「クレイジー」「夢物語」と言われたのだ。 しかし、ベティには秘密の計画があった。彼女が持つ建築とデザインへの情熱が、近所を震撼させるとは住民も思っていなかっただろう。      

ベティは、近所の人たちに笑われ続けながら、2年という長い年月をかけて小さな家を建てた。内心では、「どうしよう」と思っていたそうだが、周りから聞こえるネガティブな意見に決して負けることはなく、むしろ批判の声を燃料代わりに、インスピレーションとして使い、プロジェクトに心と魂を注ぎ込んだ。 否定的な意見を言われるたびに、それが間違いであることを証明したいと思うようになったのだ。結果は見てのとおり!最終的に笑っていたのは隣人ではなく、ベティだった。  

外から見ると、ベティの小さな家はホビットのような汚い小屋のように見えるかもしれない。近所の人は裏でくすくすと笑い、「近所のごみ箱」と呼び、どれほどバカげているか陰口を叩いていた。 このような汚い見た目のものから良いものは生まれないと確信していたのだ。                            

しかし、月日が経つにつれ徐々に形になっていき、ベティは自信を持ち始めた。近所の人はまだ気づいていなかったかもしれないが、本人にとっては正しい方向に進んでいるのは明白だったのだ。 隣人からのネガティブな言動を耳にすることもあったが、ベティは自分のビジョンを最後までやり遂げる決意を決して曲げることはなかった。                

そしてついにベティが小さな家を近所の人たちに披露する日が来た。隣人はそこで衝撃を受ける。かつては馬鹿にして笑っていた見た目も、今では美しく個性的な芸術作品に仕上がっている。かつて彼らが泥の山と嘲笑っていたものは、おとぎ話のコテージのような家になっていたのだ。 隣人はネガティブで否定的な考え方が間違っていたことを知り、恥ずかしさと申し訳なさが込み上げる。しかし、家の中を歩いてみると、何かを思い起こすような感覚がぬぐえなかったという。ベティが話をし始めると、彼らは驚愕した…  

ベティは、鮮やかな色彩と陽気な装飾にあふれた家庭を作り上げていた。そして、孫と一緒に作ったこと、孫からインスピレーションを受けてモチベーションが上がったことを説明した。夫が亡くなった後、彼女にとって孫が世界の中心になり、彼らの個性を反映し、喜びをもたらす家を作りたいと考えていたのだ。 孫の助けを借りて、明るく楽しい色を選んで壁を塗り、家中に遊び心のある要素を取り入れたのだという。「幸せな色に囲まれていれば悲しくなることはない」という孫のアドバイスを取り入れたものだった。そして、この家はまさに、彼らに幸せと安らぎをもたらす楽しい空間となったのだ。黄色の壁、ピンクのクローゼット、ピンクのタイプライターなど、家の細部に至るまで、幸せな時間を演出するための工夫が凝らされている。  

キッチンには、軽くて明るく、新鮮で、風変わりなものを求めた。二人で手描きした床は、ブルーの下地に鮮やかなピンクの図形が描かれたユニークなデザインに仕上がっている。キッチンの残りの部分は孫娘のお気に入りの色で、一緒に料理を楽しめるようにさまざまな色合いのピンクで塗られていた。キッチンは小さな楽園でなければならないため、デザインは孫娘に任せたのだという。 キッチンキャビネットは柔らかなライトピンクで塗装し、キッチンの取っ手も床と同じダークピンクにすることで、まとまりと遊び心を演出。キッチンには、他のデザインにぴったり合うユニークな紫色の冷蔵庫も付いている。しかし、それはほんの始まりに過ぎなかった!近所の人たちが家の残りの部分を見たとき、創造性と細部へのこだわりのレベルに驚愕するのだった…  

小さな家の中を歩くと、空間の隅々まで完璧に活用されていることに気がついた。バスルームには洗濯乾燥機のスペースや豪華なバスタブまで作り込んである。バスルームのデザインは、家の他の部分と同じくらいユニークなものだ。 ピンク一色のデザインではなく、赤と黒の組み合わせで違った雰囲気のバスルームに仕上がっているが、単なる黒と赤のカラーデザインではない。よく見てみると、シンクの周りのデザインが違う。  

細部へのこだわりとデザイン要素の巧妙な使用により、バスルームのこのコーナーはまったく別の空間のように感じられ、その作成に細心の注意が払われていることは誰にでもわかる。 例えば、壁に飾られている絵は、普通の写真ではない。よく見ると何か違和感があり、空間に遊び心と面白さを加えている。こうした細部へのこだわりが、この家を特別な存在にしていたのである。このバスルームの一角は、ユニークで複雑なディテールによって驚きを与えるように設計されていた。  

家には、豪華といわんばかりのクイーンサイズのベッドも2台設置。快適さを犠牲にしないためにも、ベッドは大きくて柔らかいものにしたのだ。この家を建てる前から孫が泊りに来ることが多かったので、それにも対応できるような家にしたかったとのこと。 魔法のようななデザインなら、孫も間違いなく来たくなるだろう。  

ベティが寝室を見せると、近所の人たちは衝撃と驚きの声を上げたという。落ち着いて心地よい睡眠空間を作りたいとのことで、家の他の部分とはまったく異なるスタイルでデザインされていたのだ。明るい色だと眠れなくなるのではと心配し、木や中間色などのナチュラルな要素を取り入れることにしたのだそう。しかし、その中にもコーンプーフや遊び心のある壁のディテールなど、楽しい小物も加えて、この部屋を面白く保っている。その結果、1日の疲れを癒すのに最適な、居心地の良いベッドルームが完成したのだ。 「73歳の女性がこんな素敵な家を建てるとは思わなかった」と近所の人は絶賛。「一般人がこんなにスゴイ家を作れるなんて…」と別の住民は言う。  

ベティさんは、孫娘の助けを借りながら、2年で家を建てた。ロフトを含めてもわずか475平方フィート。ご覧のとおり、家にはさまざまな色が溢れ、壁には楽しいアクセサリーがぶら下がる。中にはベティと孫娘が手作りしたものもあるくらいだ。 家はまるでターディスのように、外見よりも中が大きく、角を曲がるたびにベティの創造性と工夫が垣間見えるものとなっている。  

小さな家のキッチンは、シェフにとって夢のような場所。カウンターの下に巧妙にデザインされた隠し収納は、まるで宝の山のような発見を待っているかのよう。ベティの料理への愛情は、機能性、十分なスペース、美学に重点を置いたキッチンのデザイン方法からも明らかだ。キッチンは大きく広々としていて、料理中も自由に動き回れるようになっているそう。カウンタートップには黒い大理石を使用し、素朴で落ち着きのあるキッチンに仕上がっている。 さらに、カラフルなデザインだけでは物足りないと思った孫は、冷蔵庫に虹の楽しいぬり絵を貼るなど、遊び心を加えて、実用性だけでなく視覚的にも楽しいキッチンにすることに。  

キッチンの隣はリビングルーム。座り心地の良いソファやリクライニングチェアが収まる大きさだ。ベティが家に求める条件をすべて備えている。設計当初から、クッションがたくさんある快適なソファが欲しいと思っていたのだとか。そうすれば、そこで孫娘と一緒に居心地のいい映画鑑賞をたくさんすることができると… また、冬の寒い日に火をつけられるように、焚き火台も欲しい。夏には、窓からのぞく太陽の熱で体を温めることができるそう。  

彼女の年齢と近所の人たちの懐疑的な見方にもかかわらず、ベティは機能的であるだけでなく芸術作品でもある家を建てることができたのだ。アクセサリーの色も考え抜かれている。黄色から青色まで、虹のすべての色がある家…近所の人たちは、「泥の山」がこんなに美しくて広々としたものに変わるとは思ってもみなかったのだ。彼らは自分たちの言動を謝罪し、ベティの創造性、決断力、揺るぎない精神を称えたという。 ベティの小さな家は、すぐに話題となり、多くの人が自分の目で確かめたいと思うようになっただけでなく、建築の過程や独自のデザインに興味を持つ人たちのために、見学会を開くようになった。  

ベティの小さな家は、近所の人たちの見る目を変えただけでなく、小さな空間での暮らしの可能性をも変えてしまったのである。多くの人が自分の家をどう生かすか、よりクリエイティブに考えるようになるキッカケを作ったのだ。 シンプルな生活を送る人々の近所で、ちょっとしたムーブメントが巻き起こったのだとか。  

ベティにとって、この小さな家は単なる家ではなく、彼女の強さ、決意、情熱のシンボルだった。いくつになっても、夢を追いかけ、美しいものを創り出すのに歳をとりすぎることはないのだと、改めて実感したと後に語っている。 人をすぐに判断してはいけないということを、周囲の人たちに証明したのだ。  

そして、リビングルームで焚き火台の暖かさと静かな自然の音に包まれながら、ベティは誇りと達成感を感じずにはいられない。夢のマイホームを建てた達成感が伝わってくる。部屋を見渡すと、思わず笑みがこぼれる。多くの人が不可能だと思ったことを、決意をもってエレガントな方法で成し遂げた努力の結晶なのだ。 この家は、彼女の努力だけでなく、人柄も反映されたもので、まさに彼女の心意気が感じられるものだった。リビングに座り、美しい自然と暖炉の暖かさに包まれながら、彼女はここがまさに自分のいるべき場所であると確信している。出典:Youtube video stills.Farrow & Ball Bamboozle and Templeton Pink, Digsdigs / Kate, Federico Paul, Instagram:Rachael Havenhand Design, Justsomething, My Modern Met/ Sara Barnes, Reddit/ KahlumG , Rachael Havenhand, Paolo D’Agostino Bowe, Miles Willes McDermott, Sylvie Li, Erin Derby, Kelly Popejoy, Federico Paul, Nicole Crowder, Nancy Mitchell, Melanie Rieders