林青木
夫の青木は、技術系企業の営業担当者として良い仕事をしていた。この会社は世界中に顧客やパートナーを抱えていたため、青木は仕事で何週間も家を空けることがよくあった。彼はいつもファーストクラスに乗り、最も美しいホテルの部屋で眠った。彼の生活は贅沢そのものだった。
青木は仕事で出張が多いにもかかわらず、最愛の妻である恵子と家で過ごす時間を大切にしていた。離れていても、電話で連絡を取り合っていた。ビデオ通話は嫌だと早くから言っていたので、電話で話すことにしていた。その結果、何週間も顔を合わせないこともしばしばあった。
それでも青木は、目的地に着くと必ず自撮り写真を送るようにしていた。距離は離れていたが、青木はこの日課に慣れ、どんな些細なことでもケイコとつながっていられる機会を大切にしていた。
青木はもっと頻繁に妻に会いたかった。願い事には気をつけよう…。