恵美は心配そうに辺りを見回した。佐藤さんが奥に行く前に、正面の陳列ケースにすべて鍵をかけないわけがない。彼女は宝石店のすり減ったフローリングの床をせわしなく足で叩いた。時間は無限に続くように思えた。なぜこんなに時間がかかるのだろう?
奥の部屋からは、工具を押し込む音や佐藤氏が息を殺してつぶやく声が聞こえてきた。時折、くぐもった汚い言葉が彼女の耳に届いた。彼女は向かいの壁に掛けられた古い鳩時計を見上げた。佐藤氏がカーテンの向こうに消えてから10分が経っていた。彼女の中に神経質なエネルギーが湧き上がってきた。