Online 吹雪の中、凍りついた動物に遭遇した男。 もう一度、今度は少し強めに突いたが、やはり何も起こらなかった。 ハンマーを握る指に力が入り、慎重に一歩前進した。懸命に飲み込み、手を伸ばして余分な雪を払い落とすと、茶色と灰色のつや消しの毛皮が、凍った小さな房のようにまとまって見えた。 ウサギだ。その姿に、今度は別の意味で胸が張り裂けそうになった。あまりの静けさに、もういなくなってしまったのかと思いかけたが、かろうじて、その小さな体がかすかに上下しているのが見えた。息をしていた。かろうじて。 ← 前 次 → Facebook 前の記事 次の記事