翌日の夜、ダニエルから電話があった。彼の声には衝撃と好奇心、そしておそらく長い間埋もれていた悲しみがこもっていた。彼は、家族は断片的なものしか持たずに育ってきたと言った:アウグストは戦争中のある夜、家を出たきり帰ってこなかった。遺体もない。遺体もなく、説明もない。沈黙だけ。彼はウォルターに直接会うことに同意した。
ダニエルは震える手で写真を見た。祖父のアウグストが、家族の話に出てくるのと同じキャンバス地のかばんを持っていた。ダニエルは、アウグストは第二次世界大戦中、マフィアが支配する埠頭で運び屋をしていて、不正な貨物を運んでいたと説明した。彼はその生活から逃れようとした夜に姿を消した。